怠惰

怠惰である自分が嫌いという怠惰を。

恋する女とチョコレート

最近考えているトピック、「彼氏への恋心を取り戻すためには?」。はっきり言うと無理。もう安心感しかない。ドキドキしない。ときめきはない。だからといって「愛しているか?」と訊かれると困る。やっぱり自分が一番大切だからだろう。人を愛するって、具体的にどういうことができれば愛せていると言えるのだろう。

今の私と彼氏との関係は、セックス付きの友達みたいなものだ。セフレと違うのは、相手をなるべく悲しませたくないという気持ちがあることかもしれない。これが愛なんだろうか。逆に考えてみたんだけど、私友達ともセックスできるわ。セックスに意味はない。ただの行為だ。

 

正直に言おう。私は今恋をしている。彼氏にではなく、友達にだ。

 

顔が強烈にタイプで、性格も良く、スポーツもできるのに、めちゃくちゃ卑屈な童貞というわけがわからない設定の彼とはサークルで一緒だったのだけれど、彼と知り合ったとき、私には既に彼氏がいた。

だから私は、本当にずるいのだけど、彼の一番の女友達になることを決めた。もちろん彼は面白い人だし、純粋に友達になりたかったのでその目標はあらゆる方面においてベターだったと思う。

 

先月末に、私の方から今度ごはん行こうよと誘った。社交辞令ととられて受け流されるかなと思ったが、いつがいい?と訊かれたのでうれしかった。私はもう授業もほぼないしバイトもしていないのでいつでもいいよと答えると、じゃあ14日がいいと言われた。彼のテスト終了日だ。そして、バレンタインデーだ。

これは、チョコレートを作るしかない。お菓子作りが下手なので彼氏にはプレゼントでいいかなと思っていたが、もう一人の私がクッキーを焼き上げてしまった。渡さないわけにはいかなくなった。

 

当日、にやにやしながら集合場所に行くと、いた。お顔が整っていて、なおかつ卑屈ないわゆる残念なイケメンが。クッキーを渡すタイミングを迷ったが、こういうのは別れ際に渡した方が可愛いだろうとなぜか思ったのでそうすることにした。

車に乗せてもらってオムライスが美味しい洋食屋さんに行った。正直味は覚えていない。顔が好みすぎて顔ばかり見ていたので彼の服も覚えていない。

色々な話をした。あまり弾まなかったけれど、楽しかった。今思い出しても緊張する。

 

帰りの車の中、俺、一緒にご飯食べられるような友達は杏露酒とあと男友達数人しかいないわ、と言われた。冷静に考えると結構悲しいことじゃないかと思うけれど、その時は素直にうれしかった。彼の一番の女友達におそらくなれた。目標達成だ。

そしてクッキーを渡した。2019年最初で最後のチョコだわと笑っていた。なんでだよと思った。なんで世の女性は彼を放っておくのかと。腹立たしくさえあった。

 

これは恋だ。勇気も覚悟もなく、ほほえましい、ただの可愛い恋だ。恋人になることなど全く望んでいない。

でもこの先一生、彼へのほんのりとした恋心を抱えて生きていきたい。