CRCK/LCKSの伝播
「くらっくらっくすって知ってる?」「くらっくらっくす?」
帰省していた先輩が東京に帰ってきた。飲まないかと誘われたがそんな気力はなかったのでお断りすると、こう尋ねられた。
先輩のことだからきっとバンドとかグループなんだろうなと思ったけれど、その「くらっくらっくす」という名前は聞いたことがなかった。
「帰省して先生とドライブしてたら、車内でずっとクラクラのアルバムがかかってて。はまっちゃった」「へえ、そうなんですね」「ドラムがね、石若駿っていうんだけど。すげーいいの。キレが違うっていうか。」「粒がキテるっていうか?」「そうそんな感じ」「へーくらっくらっくす。聴いてみようかな、どう書くんですか?」「CRCK/LCKS」「初見殺しでしょこんなん」
Apple Musicユーザーの私はすぐに検索して、聴いてみた。その時はあまり、というか全然ぴんとこなかった(たしかにドラムはキレが違うっつーか、って感じではあったが)。
でも、生活を共にしていくうちに、徐々に「ああ、いいなあ」と思う瞬間が増えてきた。難しいことは全然わからないからなんとも言えないんだけど、まず声がいい。そして、音の重なりは厚いはずなのにすごくシンプルに聞こえてくる。難解なリズムも説得力がある。整理整頓されている音楽という感じ。見せる収納、みたいな。
まあとりあえず聴いてくれ。
私は『傀儡』が好きです。