怠惰

怠惰である自分が嫌いという怠惰を。

折坂悠太『心理』@渋谷LINE CUBE(12月2日)の覚え書き

折坂悠太のライブパフォーマンスはTVでしか観たことがなかった。その中での彼は緊張しているのか、声に音源のような安定感、伸びやかさ、豊かな倍音がないように感じていた。

メチャクチャ好きなアーティストなんだけれども、生歌がへたくそだったらいやだな~と思ってしまったため、ライブに行くことを決意...。

 

席は1階3列目。ステージ向かって折坂悠太から左側は完全に丸見えでした。表情までみえた。最高。

 

kohei

真っ暗な中ではじまった『kohei』。音源よりもよりノイズが入っていて、これから始まるライブへの緊張と期待が入り混じる不安定な気持ちに。

 

爆発

1音目からもう感動。ドラムの反響で「あ~コンサートホールの前の方ってこれがあったな~」と懐かしい気持ちに。出だしからかなりピッチが上がり気味でちょっとハラハラした。上がりすぎて途中でなんか「ん?」ってなってなかった? 声がいい。「もういいかい」の地声とファルセットの切り替えが素敵すぎる。歌がうまい...。アウトロで改めてアンサンブルのいいバンドだなという印象を受ける。

 

インタビューを読んだ後だったのでいろいろ考えてしまった。今の状況下と当初の発想としての戦争下を重ね合わせてしまう。その中で折坂悠太が「本当に来るなら 本当に待ってるよ」で腕を広げてわたしたちを受け入れるポーズを示してくれたことになんだか救われた。あとシャウトの声がいいなあ...(これライブ中に数百回感じた)。

 

悪魔

ここでギターを置いて片手を腰に当てて歌い始めたのが本当にかっこよかった。折坂悠太の歌声にあるレトロさというか、深みがポーズとマッチしていてなんだか大正時代のようだった(その時代に生きてたことないけど!)。「戦争も形無しさ」でうんざりといったポーズをしていたのがチャーミングだった。エ音の倍音の乗り方が本当に好きだなと思った。

 

みーちゃん

2018年のアルバム「平成」から。全然アレンジが違って洗練されていてよかった。悪魔のポップさから一転かなり難解でオカルトなおどろおどろしい雰囲気に。『心理』以外からもやってくれるんだ~とうれしくなった。

 

揺れる

同上。少しテンポが速くさらっとした演奏になっていた記憶がある。おどろおどろしさから郷愁への転換。

 

朝顔

そして朝顔。ドラマ『監察医 朝顔』には東日本大震災・故郷がテーマの一つとしてあったので、その流れかな。AメロA'メロのアレンジ、よかったと思います。もともと出るか出ないかのギリギリの音域で歌うのがその語り手(≠歌い手)の心情を表していていいなと思っていたので少し残念な気持ちがあったり...なかったり...。
あとやっぱりサビのファルセットのゆるみみたいなのは気になった...まあビチビチに張る歌でもないのでアレなんですが、なんか埋もれてしまってもったいないなと思った。音源だともちろんボーカルがよく聞こえるようにミックスされてるのでいいんですが。
あとめちゃくちゃ気になったのが照明なんですが、1番で舞台向かって左手奥から差し込むスポットがコントラバスの金具に反射してしまって、サーチライトみたいになってしまっていたのがメチャクチャ気が散ってしまった(不注意つよめで集中しづらい人間なので...)。そういうのってリハで確認しないんですかね?2番では逆サイドからスポットが当たっていたので演出効果として照明は大事だったのではと思ったんだけど...どうなんですか???ワカラン

 

針の穴

同じEP「朝顔」から針の穴。生きることの難しさをうたいながらも曲調は明るい。朝顔での祈りから、自分自身で生をその難しさごと肯定してくれている感じがして救われる~。なんか異様に明るい曲だよな...。弦がコントラバスしかないからやっぱり聞こえ方が違ってスピッツみたいだった(?)

 

トーチ

ぐっと落ち着いた雰囲気に変わる。「肺が 満たされてく」の満たされ感異常なんですけどわかります? リッキーさんの声がいい!!ということに気づいてしまった。折坂悠太の声との親和性高くて気持ちよすぎた。後半サビのハモリの音の並びが本当に好き。

 

口無し

2018年のEP「ざわめき」から。単純なピアノリフの上でくりひろげられる掛け合いがきもちよかったなあ。

 

同上。口無しでも感じたけど、3年前の曲とは思えないというかそりゃアレンジしてるからそうなんだけど、折坂悠太の声はずっと変わらず魅力的だなあと思う。そのうえで歌の技術みたいなのはどんどん上がっているのですごい。かなり子音の最先端から音がみっちり詰まっている感じというか...いやライブ観るの今回が初めてなのであくまで音源との比較ですが...マチュアな感じというか...

 

夜学

2018年のアルバム「平成」から。夜学のアレンジかっこよすぎた!!!!!夜学...だよな...? ってなった。印象的なサックスのリフがなくて、もっとシンプルでソリッドな音になっていた。かなり好き。あとやっぱりシャウトの声がかっこいいんだよな~~~この声が口から出たら人生楽しいだろうな...。

 

ワンツーがいい声すぎるのよ!!!! 歌詞の持つ子音特有のリズムみたいなのが際立った曲ですごく好き。「ちょっとばかしの「」を」で手を「」にしたところ本当にかっこよすぎて泣いた。””←これじゃないのがいいですね。日本...。「フーガ...」のところで女声が強くなりすぎちゃうのがちょっと気になっちゃった!

 

荼毘

Bメロからのリズム感というかタイム感というかグルーブが絶妙~~。スキャットのところずっとなんていってんだろうなと思ってたんですけど、「だやば...ねつあびあ」に聞こえますね。日本語の発音を生かしたスキャットって新鮮。

 

「この雨は続く」で照明が青く、しだれるのがすごく素敵だった。Aメロの無機質な感じから急に雰囲気が変わるところで照明が効果的に働いていた。やっぱりコロナの状況で、同じ空間でこの曲を歌ってくれているということになんか感動した。同じ炎を囲む者たちがこうしてLINE CUBEに集っているんだなというか...。そしてこの静かな曲の中で静かな怒りの炎が燃えている、それは雨でも消えることがない、っていうのがやっぱりひしひしと伝わってきた気がした。

 

星屑

曲のテーマからしてもう泣いちゃう。この歌謡曲、流行歌的な進行かなり好き。この曲もファルセットが緩んでたから、やっぱりわざと緩ませてるのかなあ。「アニメ」じゃなくて「漫画」っていうのが時代感を感じるというか、折坂悠太の語彙って感じがしてなんか好きなんですよね。おばあちゃんもアニメじゃなくて漫画って言ってたなあ、とか思い出す。

 

ユンスル

こってりとした曲からさわやかな川の流れを感じるユンスルへ。イ・ランのところどうするのかなあと思ってたんだけど、音源が効果的に使われていた。ただ今回のライブではこういうパターンが結構多くて、個人的にはちょっと食傷気味でした。まだこのランダムな音楽の楽しみ方がわからない。高校の先輩からは何か一つ楽器の軸を決めてそこを聴くといいよと言われた。次はそうします。

 

鈴を片手に持っている佇まいが素晴らしかった。鈴の音が澄んでいて美しかった...神事みたいだった。そのインパクトが強すぎる。

 

坂道

大好きな曲。「過ぎてく 家や木々を 抽象の絵に変える」って歌詞が最高すぎると常々思ってる。

 

さびしさ

くれ~~~~~~~!

 

最後の演出がすごくてざわついちゃった。結局あのアルミホイルみたいなのって何だったんだろう

 

絶対に次のライブも有給とってでも行く。WOWOWの配信も絶対見る。以上です。

お酒飲みながら書いてたら眠くなってきたので寝ます、後半追記するかも