WATER(『THE ANYMAL』Suchmos 3rdアルバム)感想
ただの何の知識もないSuchmosファンが抱いた感想です。本当にただの感想。
『WATER』
シングルとしても発売されたこの曲。シングルとしての聴こえ方と、アルバムの1曲目としての聴こえ方が全然違って驚いた。
まず歌詞を読んでいきます。作詞はYONCE(不穏)。以下、特別な表記がなければ「」内の引用はSuchmos『THE ANYMAL』の『WATER』から。
「火星のクレーターでランデブー 流行りのジュピター・ジャズで口説いて」
しょっぱなからわから~~~~ん!!!!!! とりあえず今YONCEは宇宙にいるっぽい。で、女の子とランデブーしているわけですね。
ジュピター・ジャズというのがなんなのかわからなかったので調べると、カウボーイビバップというアニメがヒットした。音楽がすごくかっこいいことは知っているが、あまり詳しくないのでWikipediaを見てみた。
「2071年の火星を中心とした太陽系を舞台に、おんぼろ宇宙船「ビバップ号」に乗って旅する賞金稼ぎのスパイク・スピーゲルら乗組員の活躍を描くSFアニメ作品である。
(中略)
『ビバップ』というタイトルどおりジャズを始め、ブルース、ロック、テクノなど多彩なジャンルの音楽をBGMとして使用し、その独特の世界観と相まって既存のSF作品になかった特異なスタイルを築きあげた。」(カウボーイビバップ - Wikipedia)
火星を中心に~というのは歌いだしの歌詞と合致している。また、多彩なジャンルの音楽を使用しているという点は、Suchmosそれ自体にも同じことが言えるだろう。今回のアルバムを聴いた後だとなおさらだ。
また、Underground ResistanceというテクノグループがJupiter Jazzという曲を発表している。
Underground Resistance - Jupiter Jazz
ガチガチのテクノ。ここから影響を受けたとは少し考えにくいかもしれない。
で、この曲のフックとなる部分。
「Everyone has the water Everywhere anyone has the muddy water」
訳せば、“誰でも水を持っている。どこの誰でも泥水を持っている。”となるわけです。
返せば、誰でも水は持っているが、綺麗な水は持っていない。この前で「乾いた星は歌い足りなくて叫んでる」と歌っている。この星にはそもそもメタファーとしての水が不足しているのだろう。
「ハローベイビー 胸に残らない映画を観よう ついでに君を忘れよう So sad, so happy」
ハローということは声をかけているんですね、誰かに。さっきの口説くシーンなのかな。ここの“君”は実際にいる君ではなく彼が思い浮かべている君なんじゃないかな。
とっても悲しくてとっても幸せ。忘れてしまうことは悲しいが、もう君を思い出さない方が幸せ。そういった葛藤を歌っていると受け止められる。
「そうだタトゥイーンに行こう いっそ聖地リバプール」
タトゥイーンというのはスターウォーズに出てくる架空の星の名前らしい(スター・ウォーズ惑星一覧 - Wikipedia)。で、ここでイギリスのリバプールが出てきて、私たちは日常に帰る。聖地というのはサッカーのことかしら。それともビートルズのことかしら、なんて思ったり。リバプール+宇宙で検索したが、博物館しかヒットしなかった。
で、最後。
「Gimme some water Clear water」 “水をくれ、綺麗な水を。”
誰も持っていない、綺麗な水。でもここ切実な感じで歌うのではなく、声もエフェクトがかかっているしヒャッハーみたいな声も聴こえる。無いということが分かっていてこういうことを言っているのかな~どうなんだろう。この後はずっと汚い水のことしか歌っていない。
科学は進歩し、自動航行やなんやらで暮らしは便利になったが、本当に大事なものは汚れてしまって、綺麗なものなんてない。そんなディストピアを彷彿とさせるような歌詞だ。
次、曲と合わせて聴いてみます。
時計の秒針のような音? 規則的によれた音が入り、ピアノとデジピから入る。徐々に近づき、一瞬のブレイクの後ドラム。割と緩やかなテンポ。宇宙を揺蕩っているイメージが湧く。左耳に入るコーラスがいいアクセント。
フックまでは至ってシンプル。フック終了後からピアノが前面に入り立体感というか空間感が生まれていく。ギターが高音で浮遊感を出していく。で、またシンプルなドラムとベースの目立つ感じになっていくわけですね。
ここのトラックが聞き取れな~~~~~い!!!!
二回目のフックもシンプル。だが途中からピアノが割り込んできて倍のビートになっていく。
で、戻ったり浮いたり繰り返して不安定な感じ。ひずんだギターも内面世界というか色々な感情がグニャグニャとしている感じを表しているように聞こえる。声にかかったエフェクトが不思議な感じ。別人が歌っているみたいに聴こえる。
Ah~で一気に宇宙が見えてくる。泣きのギター。一緒に浮かんでいる気分。ピアノソロ。それをバックに叫びが入る。トライアングルの連打。アラームなのかな? 今まで夢の中にいたのかも。で、ここはフェードアウトではなくしっかり終わらせている。
で、静寂。終わったのかな? と思ったらまたイントロと同じフレーズが入る。セリフはフックと同じ内容。タイマー音のようなものがなって遠ざかっていく。そしてI love you。エコーがかかって消えていく。その場で言われているわけではなさそう。忘れたかった君なのかもしれない。
なんか正直、元カノを忘れたくてやけ酒した日の夜の夢って感じがする。まあ二日酔いならお水飲みたいよね!
シングルで聴いたときはあまりピンとこなかったが、アルバムの最初の曲としてのこの曲の役割は何だろうと考えたとき、「自分たちはこのスケール感でやっていくよ!」ってところなのかなあと思った。今まではポップでキャッチ―な(シティポップと評されていましたもんね)Suchmosだったが、今の俺らの流行りはこういうデカい音楽だぜって感じですかね。
なんか一曲分感想書いたら文字数がえぐいことになったので、もう個別に記事にしようかな、と思います。
みなさんの感想も教えてください。あ~音楽理論勉強したい。
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