怠惰

怠惰である自分が嫌いという怠惰を。

元彼と飲みに行った

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元彼と飲みに行ってきた。互いの部屋に忘れていったものを交換するために。

 

一昨々日、大学内で元彼とばったり出くわした。ある程度の距離があってもすぐわかってしまう。向こうは自転車に乗っていたから、無視か会釈程度で済まされてしまうんじゃないだろうかと思っていた。しかし彼は降りてくれた。

「元気だった?」その声は変わっていなくて、安心した。「久しぶりだね」2か月ぶりだった。

長話をして、別れた。改めて、こういうところが嫌だったなあと思った。こういうところが好きだったなあと思った。

 

その日の夜にラインが来た。「忘れ物渡したいんだけど、明日会える? ついでにご飯も行こうよ」迷わず「いいよ」と返した。今なら楽しくご飯を食べながら会話できるかもしれないと思ったから。

 

そして昨日、私の家の近くの居酒屋に行った。「まさかまた飲める日が来るとはね」彼は笑った。本当にそうだと思った。別れた直後、辛くて辛くて、身がちぎれるんじゃないかと思うくらい泣いた。でも今こうして笑いあっている。なんだかおかしかった。

近況報告で会話も弾んだ。ご飯もおいしかった。友達としてなら今後もうまくやっていけそうだと思った。

彼氏の有無など恋愛に関することを訊かれて、まさか恋人じゃないけど半同居している人がいるとは言えず、彼氏はいないよと言った。疑われた。

 

カラオケに行こうと言われ、いったん荷物を置くために私の家へ向かった。彼を玄関にあげて、少し立ち話をした。そういえば同居人の歯ブラシをしまっていないなと気づき冷や汗をかいたが、気づかれなかったようだった。

そこで、抱きしめられた。

懐かしかった。考えるより先に涙が出てしまった。これじゃまだ、友達に戻れないと思った。カラオケにも行けない。

「今日は一緒にいたい」「何もしないから、お願い」

駄目だよ、駄目すぎるそんなの。私の2か月が泡になってしまう。今は楽しくとも、やり直したら絶対にうまくいかなくなることなんてわかりきっている。

 

その後も何度も同じことを言われたが、拒み続けて帰ってもらえた。自転車を押して歩く背中が遠ざかっていく。声を上げて泣きたかった。背中に向かって駆け出したかった。一緒にいたかった。

 

会えて楽しかった。でも、やっぱり会うべきじゃなかった。あるいは、まだ早すぎた。最悪なゴールデンウィークの幕開けだ。